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ポール アイズピリ
Paul Aizpiri(1919-2016)


フランス人画家ポール・アイズピリが、2016年1月22日
老衰のため逝去した。享年96歳。
葬儀は1月26日午後3時より、Notre Dame des Champs
(ノートルダム・デ・シャン)で行われた。
1919パリに生まれ。父親はスペイン国境地近くのバスク
人の血をひく彫刻家で、息子をブール象嵌学校に入学させ
たが、アイズピリは画家になる夢を捨てきれず、1936エ
コール・デ・ボザール(パリ国立美術学校)に再入学。
1939に徴兵され、第二次世界大戦でドイツ軍の捕虜とな
るが脱走。
1943パリで初個展を開催して以降、具象画家として実績
を積み重ね、1945フランス解放後、パリの「青年絵画展」
(サロン・ド・ジュ ーヌ・パンテュール)の創立会員と
となり、1946には新人画家の登竜門として名高い同「青
年絵画展」で三等賞。1951ヴェニス・ビエンナーレでプ
リ・ナショナル 大賞を受賞し、フランス画壇に確固たる
地位を築き、名声を高めた。
1960年代は、ニューヨーク、東京、ジュネーブ、アヴィニ
ヨンなど各国で個展を開催。
日本においては、1963の第2回国際形象展に初出品し、
以後毎回同展に出品した。
1971はトゥールでジュマイ賞を受賞。
1980は一年間にわたって、ナント、アンジュール、セー
ユ、ボルドーにてフランスの風景展を開催した。

パリ画壇の中でも、わかりやすい具象絵画(静物、風景、人
物の油彩)で親しまれ、人気のポピュラーな作家の一人だ
った。
子供、自転車、飛行機、鳥、魚、太陽などモチーフが、パリ、
サントロペ、ヴェニスなどを舞台として、自由かつ軽やか
に舞い遊ぶ軽快なタッチで、鮮やかな色彩が織り成す歓び
に満ちた夢のような世界を描いた。
素朴にデフォルメされた作品群は、生前好きだったフォー
クアートの世界にも通じている。
柔らかい優しさや陽だまりの温かさに満ち溢れ、自然と家
族をこよなく愛する画風はコレクターにも愛された。
リトグラフなどでも、その作品が親しまれている。

アイズピリの作品は、フランスではパリ市立美術館をはじめ
ルーマン美術館、アルビ美術館、キャストゥル美術館、ヒア
レン美術館等、ベルギーやオランダなど欧米各地の美術館
に所蔵され、日本では山形美術館(山形)、ニューオータ
ニ美術館(東京)、なかた美術館(アイズピリ美術館、尾道)
など、有数の美術館に所属されている。
また、パブリックアートとしても、ホテル二ューオータニ
東京のメインバーの壁面を彩る7部作の油彩「カプリ島シ
リーズ」、ホテルニューオータニ博多のロビーを飾る全長12
メートルの巨大フレスコ画『博多の祭り(博多どんたく)』
等が有名

1919 パリで生まれる

   ブール象眼学校に入学後、絵画を志し、パリ美術学校に
   転校
   サバテの指導を受ける

1936 パリ美術大学に再入学

1939 徴兵され、第二次世界大戦でドイツ軍の捕虜となったが
   脱走

1945 フランス解放後「青年絵画展」の創立会員となる

1946 青年絵画展で三等賞受賞

1851 ヴェニス・ヴィエンナーレでプリ・ナショナル賞受賞

1954 ぺトリデス、ロマネ各画廊にて個展開催

1962 ニューヨークで個展

1963 国際形象展出品、以降毎年出品を続ける

1965 東京で個展

  1966 ジュネーブで個展

1967 アヴィニオンで個展

1971 トゥールで、ジュマイ賞受賞

1973 パリにてベニス展

1980 ナント、アンジュール、セーユ、ボルドーにてフランスの
   風景展

1990 エスパーヌ・カルダンにて大回顧展

2016 1月22日 肺炎の為96歳にて逝去

パリ画壇の具象系派ポピュラー作家の一人
パリを中心に、欧州、米国、日本などで個展を開催
ルーマン美術館、アルビ美術館、キャストゥル美術館、ヒアレン美
術館収蔵

ポール・オーガスティン・アイズピリ
(Paul Augustin Aizpiri )
1919年5月14日 - 2016年1月22日)
フランスパリ生まれの画家。
バスク人の祖父と彫刻家の父を持ち、20世紀の様々な様式に触れ
ながら独自のスタイルを築いていきました。
日本で高く評価されている。
画家のジル・ゴリチ(Gille Gorriti)はアイズピリの長男。
パリの工芸学校(Ecole Boulle)で学んだ後、1936年にパリ国立高
等美術学校に入学し、フェルナン・サバテの工房で学んだ。
第二次世界大戦が終わった後サロン・ドートンヌに出展し、1951
に美術評論家のピエール・デカルグ(Pierre Descargues)が企画し
た「若い絵画の展覧会(Salon de la Jeune Peinture)」にべルナー
ル・ビュフェらと出展し、入賞した。

日本に収蔵されている作品
「少年と小鳥」「サントロペの海」「尾道」なかた美術館
ヤマザキマザック美術館50点以上もの作品を収蔵
山形美術館
サンリツ服部美術館
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